日本整形外科学会は整形外科の発展により医療や福祉の向上を目指すものですが、実際に何をしているのか知らない方が多いでしょう。
このサイトではどんな活動をしているのか学会の概要などに触れ、活動内容をご紹介していきたいと思います。

 

日本整形外科学会の歴史

日本整形外科学会は1926年に発足されました。
その後、1969年に社団法人、2011年に公益社団法人に変更されています。
整形外科の歴史は日本に導入されてから100年ほどで、日本整形外科学会は長い歴史の中の医学の全てが詰まっています。
会員数は24,945名(平成30年4月2日現在)です。医師の人数は311,205名(平成23年時点)で医師の8%ほどが所属しています。

 

 

医者という職業の仕組みは一般の人には馴染みのないものです。

  • 医大に行って医師免許を取得すれば医者になれる。
  • 医大に入学するのは難関でお金もかかるため医者になるのは難しい。
  • 頭が良くないとなれないから医者という肩書きがあるとなんとなく信頼できる。

多くの人が医者に対して抱いている印象や持っている知識はこの程度ではないでしょうか?

 

医師免許は医大に通って国家試験を受けて取得します。
研修もしないと受験資格を得られないので、医大に行かないと医師免許は取得できません。
医師免許は一度取れば、大きな問題を起こさない限り一生モノです。

整形外科医になるには?

 

 

ポイントを説明する医師

しかし、医療の現場で仕事するにあたって専門医など医師向けの資格が色々とあって、専門性のある資格は定期的に学会に行ってポイントを取らないと剥奪されてしまう仕組みになっています。


日本整形外科学会は名前の通り整形外科医のための学会で、規模としては国内最大級です。
整形外科専門医を持っている人は必ず参加していますし、総合病院勤務など他分野で活躍している医師も参加している方が多いです。

 

整形外科と美容整形を同じに思っている人もいますが、専門性が違っており学会も分かれています。美容整形は二重整形など容姿を整える事をを目的としており、埋没法など繊細な施術は、特に医師の腕が問われます。

 

 

学会の目的

日本整形外科学会にも運営方針や理念を明記していますが、ここでは現場で働くドクター目線で学会をどのように捉えているのかを含めて紹介します。

 

学会は

  • 演題発表
  • 学会参加(聞く側)
  • 講習会
  • 研修会

など複数のカリキュラムが用意されていて、それぞれ参加するとポイントを付与される仕組みになっています。

 

必要なポイントは専門医や各地域の医師会のルールによって異なります。
中には学会でこれだけのポイントを取らないと、この施術や手術をしてはいけないと地域の医師会で定められているケースもあります。

 

先生がチェックしているイメージ

つまり、学会に行く頻度は医師によって様々です。
最低限のポイントを取ればいいと考えて、2年に1回しか参加しない人もいれば、年に4回以上学会に行く人もいます。


ただ、日本整形外科学会をはじめ、各診療科目の学会は1年に1回のペースで総会(学術総会)という大規模な学会が開催されて、ここに参加するだけで相応のポイントをゲットできます。
年に複数回の学会に行っているドクターは複数の診療科目の学会を回っているケースが多いです。

「総会」の内容とは?

 

学会は医師の研修

ドクターは職場で情報交換する相手のいないケースも多いです。
医療ドラマのようにチームを組んで難しい症例に取り組んで行くケースは全体のごく一部で、開業医であればドクター1人で運営していますし、病院の外来になると整形外科位は1名しか所属していないというケースも珍しくありません。

 

整形外科医の複数名いる職場でも、ひとつの職場での情報共有だけでは不十分です。
学会は発表する医師が症例実績や考えを発表し、受講する人や学会に所属する人が後日資料を見て勉強するものです。
学会では全国から専門医が集まるので情報交換する場所としても重宝されています。

 

学会の風景イメージ

学会では新しい治療法の発表だけではなく大手総合病院の新人医師がチームを組んで基本的な治療内容についての発表をすることもあります。

 

歴代の発表資料は学会に所属する医師に共有され、医師は症例データを勉強する上で学会は欠かせないツールになっています。

 

 

遊びメインの医師も多い

学会の本来の趣旨は医学の発展、医師の技術力向上ですが、遊びメインで参加している医師も多いです。
外科の中でも整形手術を行う美容外科医であれば新しい術式がどんどん出ているので、最新医療を学ぶ重要性は高いですが、一般的な整形外科医は基本的な治療方法は昔から変わっていません。

 

使う薬も痛み止めや湿布などの外用薬中心で製薬会社から紹介される新薬の説明を聞けば十分と考えている医師が多いです。
資格保持や施術できる術式を確保するためのポイント稼ぎで参加している医師は、勉強よりも観光、食事、飲み会を楽しみに参加している方もいます。

 

注意イメージ画像

遊びメインの医師は学会の話も聞き流す程度です。当然、本気で勉強したり発表を行う医師に比べれば知識や技術力に差が出ます。

 

医師によって腕の良い医師とヤブ医者呼ばわりされる医師がいるなど評判に差の出るのは、学会への取り組み方も影響しています。