小児外科の疾患の中で最も多いのが子供の1~5%がかかると言われている鼠径ヘルニアです。

小児外科について

子供が病気になったら普通の内科を受診している方もいらっしゃるかと思いますが、多くの人は「小児内科」を受診しますよね。
同じように子供の外科的な症状や病気を発見したら一般的な外科ではなく、「小児外科」を受診すると良いでしょう。

 

小児外科のイメージイラスト

同じような感じがするかもしれませんが、子供の体は大人の体の「小さい版」ではありません
子供の体は「発達途上」であり、未熟です。そのため子供の治療には子供の体にあった方法をとらなければならず、その方法は大人とは異なるものなのです。
また、心理的にも子供に合わせた方法をとる必要もあります。

 

しかし、地方の病院には小児科(小児内科)という診療科があっても「小児外科」という診療科が整備されていないのが現状で、小児外科の専門医も日本国内にわずか500人ほどしかいないのが問題になっています。

 

 

小児とは何歳まで?

小児、と呼ばれるのは0~15歳(16歳未満)までと言うのが一般的な考え方です。
しかし、大人であっても子供の頃の手術や病気が関係するような症状がある場合は小児外科を受診する必要があります。その後、一般的な外科に引き継がれることになるのかが医師によって決められます。

 

 

小児外科にかかる病状

 

鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは別名「脱腸」とも呼ばれる病気です。「鼠径」とは足の付け根の部分を差し、ヘルニアとは飛び出している部位の事を差します。
要するに鼠径部に腸が飛び出している病気の事ですね。子供の1~5%がかかると言われる比較的小児外科の中ではよくある症状であると言えます。

 

症状としては陰部が膨れたような感じになります。新生児時からかかる人もいれば、小学生以降でかかる人や大人でもかかる病気です。
脱腸だけではその他の症状は出ないのですが、腸がはみ出した場所で締め付けられてしまうとその部分が赤く硬くなって、痛み以外にも嘔吐や発熱をし、そのまま放置すると腸が腐ってしまいます
治療方法は手術によってヘルニアの出口を縛る事で、大人の鼠径ヘルニアよりも簡単な方法で治す事が出来ます。
ただし手術を行う際に全身麻酔をしなければなりません。手術をすればほとんどの場合再発をせずに済みます。

 

臍ヘルニア

簡単に言ってしまえば「でべそ」です。赤ちゃんの多くはへその緒が取れた後にでべそになりやすいのですが、多くが1~2歳までに自然に治ります。
出べそになる原因は新生児時のおへそがきちんとふさがっていないときに泣いたりしてお腹に圧をかけることで腸がおへその部分に入り込んでしまうことです。
おへそが飛び出しているだけでその他の症状はないのですが、2歳程度まで治らない場合はスポンジ圧といってでべその部分を押し込んで様子をみるか、手術によってでべそ部分を切り取る方法をとります。