整形外科と形成外科の違い

整形外科と形成外科は似ていて、病院やクリニックでは2つの診療科目を掲げているケースも多いです。

 

しかし、基本的な概念は大きく異なり、必要な技術や知識も変わってきます。

 

整形外科と形成外科の違いを簡単にまとめると・・・

  • 整形外科は人間本来の運動機能を失った場合の治療を行う
  • 形成外科は生まれながらの異常や、病気や怪我などによってできた身体表面が見目のよくない状態になったのを改善する外科的治療を行う

整形外科は首から下の可動域の大きい四肢および四肢と関係性の高い関節や部位が中心になります。
形成外科は頭や顔面を含めたからだ全体を治療対象としています。

 

納得する女性の画像

たとえば火傷の場合、簡単な治療は皮膚科でも行えますが、火傷の跡を綺麗にするための治療は形成外科になります。
整形外科も軽度の火傷治療は行えますが、顔の火傷を綺麗にする治療は扱えません。

 

骨折は整形外科で外傷は形成外科という区分もあるので、受診するときの基準で外傷の有無を考慮してもらえれば分かりやすいです。

 

どちらも共通している部分はあるので、病院の外来や通常の保険診療中心にしているクリニックであれば整形外科でも形成外科の初歩的な治療はできます。
慢性疾患や重度の症例の場合は専門性のある病院を選びましょう。

 

 

形成外科は美容医療も行う

形成外科は身体の見栄えをよくすることを得意にしていて、形成外科を応用した美容医療も形成外科の一種になっています。美容クリニックは美容外科の看板を出していることが多いですが、美容外科という正式な診療科目はありません。
また美容医療は美容外科と美容皮膚科があり、形成外科経由ではなく皮膚科経由で美容医療に進むケースもあります。

 

美容医療は、機能障害ではなく外見のコンプレックスを医療で治療するもので、基本的には自費診療になります。病院によっては保険診療をメインにしつつ、簡単な自費の美容医療を扱っているところもあれば、美容系の自費診療は一切受付していないところもあります。

 

注射のイメージ

整形外科でも、形成外科はほとんど扱っていないけど簡単な美容医療は扱っているケースがあります。
美容医療と聞けばメスを入れる整形手術を連想される方もいますが、ボトックス注射など注入系の簡単な治療も多いです。
手術を伴わない美容医療は扱うのも簡単なので、個人開業医の整形外科では簡単な治療法を中心に美容医療を扱っているところが多いです。

 

 

外科は細分化されている

整形外科と形成外科はともに外科の1種です。

 

それぞれ細分化されていて、整形外科はスポーツ医療や関節・リウマチに特化したものなどがあり、形成外科は保険診療適用の再建外科と自費診療中心の美容外科の2つが大分類にあたります。

 

特定の分野に専門性を出す医師もいれば、広く浅く扱う医師もいます。